225先物 エリオット波動分析No.159(11/22-15:08)

 その昔、ニッポンには空前の好景気に浮かれた時代があったそうな。それは1989年12月に日経平均を40,000円弱まで押し上げて、あとは弾けるわけですが、それを後から我々は「バブル崩壊」と呼ぶ事にしました。この記憶があるものですから、世の中では現状の水準をついつい「バブルの到来?」と口にする者もいらっしゃいますが・・・現実は程遠いですよね(笑)。

 NTT株も1987年の1次放出時の株価(119万7千円)を分割換算では実質、17年ぶりに上回ったそうです。この株は当時、それまで株式市場と疎遠な人々に、俄かに「株」に目を向けさせた銘柄。その急騰ぶりは凄まじく、あっという間に318万円まで上げて行く様は正に「現代の錬金術」、人々を狂わせていくのに十分であったかと。

 実際は・・・好景気だから狂ったのか、狂ったから好景気だと思い込んで無謀な投機に走れたのか、それはよくわからないトコロだと思います。が、何れにしてもそういう「狂気」こそが、結果として後から「バブル」と呼ばれる状況を作るのでしょう。

 もっとも・・・この「バブル」と呼ばれる株価上昇は、ニッポンに「日経225先物」が導入された時期と時を同じくする事から、「需給面」から測るお話もありますね。そうそう、最近ではめっきり耳にする機会も減りましたが、「裁定取引」というヤツです。「大引けに外国人投資家が毎日、大量に現物株を買ってくる!」と叫んで狂喜していた証券関係者は少なくなかったかと。現物株とのベーシスが1,000円幅以上で推移する事も珍しくなかった当時・・・誰も知らなかったわけです、その裏で同金額分の先物を売っているなんて(笑)。

 さて、不思議なものですよねー。日経平均が20,000円を地相場とする時代がくれば、この国の未来は明るいと考えましたし、25,000円?もう、そりゃ、バブル到来だと本気で信じて疑わなかったあの頃・・・。しかし実際、そうなった今、誰一人、浮かれている人が見当たらないのは、何故か。もう少ししたら、そういう話も出てくる?いやいや・・・。

 株が上がって「浮かれた狂気」どころか、今は世界中で「違う方向への狂気」が満ち始めているとも出来ます。「株が上がる=バブル到来」という考えは恐らく、間違っているのでしょう。今更、こんな事を認めたくはありませんケド・・・眼前の事実はそれを雄弁に物語っていますし(笑)。

 昨晩のテレビ番組で元「ザ・ブルーハーツ」の甲本ヒロト氏(現「ザ・クロマニヨンズ」)がこう言っていました。
「今の若い世代も凄いし、昔のアナログ世代の我々と何ら変わりない。けれど、一つだけ違う点があるとすれば「歌詞」を気にし過ぎているような気がする。自分達は英語の歌詞で『お前に未来はない!』といったような歌詞であっても、そのリズムが格好良ければそれで『今日も一日、頑張るぞ!』って気になっていたけど、今のデジタル世代ではその歌詞もキッチリと知るからそうはならないだろう、(目的によっては)『ぼんやり』した方が良い」といった内容だったかと記憶していますが、言い得て妙・・・深いなぁ~~と。

 バブル・・・皆で馬鹿になれ!って事なんでしょうが、それが今のニッポン人は一度、痛い目に合ったがために出来ない相談なのかも知れません。いつかも言いましたが、我々世代がいなくなり、社会の記憶が果てない限り、それは来ないのかも?じゃ、もう、バブル到来は諦めて、ひっそりと相場を楽しむ派にでも回りますか(笑)。

 さて先物、大枠のラベリングを変更して現在は「Ⅰ波⑤波進行中」としています。3月16日15,860円以来のラベリングでは、仮に眼前の上昇が完了したとしても恐らく、調整を挟んだ後には先々、再度の上値トライ(上昇継続)が期待し得ると出来ます。もしかして最終的な高値は大台を変えたりして?(笑)。でも・・・仮にそんな時が到来したとして、その時も皆で「歌詞」を気にしているんでしょうね・・・。

(長浜-株式寅さん)

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