アメリカは世界の警察、アメリカ経済は世界の牽引役、アメリカの大統領は世界のリーダーと言われて久しいわけですが、その実、ついこの前(200年程度前)までは世界の中心はヨーロッパ。
世界をブイブイ言わせていたのは、ナポレオン率いるフランスでしたし、それを追放したのはロシア。時を同じくして産業革命を起こしたのはイギリスでしたし、その後、ビスマルク氏の登場で戦争をしまくり、国を大きくして国名をプロイセン王国から改名したのは、今のドイツ。これらの世界的な歴史の中に「アメリカ」の名前は出てきません。
そんなヨーロッパで起こったとある一つの事件、「サラエボ事件」が後の世界の中心を、ヨーロッパからアメリカへと移行させるきっかけになります。オーストリア=ハンガリー帝国の皇位継承者が暗殺された事件ですが、これによりヨーロッパ全土はグチャグチャになっていきます。
民族紛争の一つとも言えるこの事件はそれでも、その民族への報復を決意するオーストリアにロシアが対抗勢力として現れ、対してオーストリアに肩入れするドイツ、ロシアとの同盟関係を持つフランス、更にイギリスまでも参戦、いわゆる第一次世界大戦へと繋がって行きます。
この戦争は第二次産業革命を巻き起こし、戦車・飛行機・造船技術などは飛躍的な進歩を遂げた一方で、ヨーロッパの国々は酷く疲弊していきました。中でも大戦中、国内の紛争が激しさを増し、起こったのがロシア革命。これによりロシアは事実上、内部崩壊を起こしていきます。ロシアが引いた後も地獄の戦争は続き、誰も得する者がいない事が次第に明らかになった頃・・・そう、この戦争が起こって数年経ってから、アメリカがいよいよ登場します。
後の歴史は皆さんもご存じのように、ドイツの一人負けの様相。ドイツも事実上、国内で紛争が生じており、もはや戦う力は残されていませんでした。地獄絵図が続いた数年間の、その終わり頃にノコノコやってきた格好のアメリカは、言うまでもなく無傷で「戦勝国」に名を連ねました。この頃には既に国土も、フランスからの買収やロシアやイギリスとの交渉により得た国土で、現在のそれとほぼ変わらない大国の礎が築かれていました。
新しい無傷の大国と、長い間、地獄絵図に焼かれたかつてのリーダー達とではもはや勝負になりませんね。その後の歴史は我々の知るところとなるわけですが・・・こう考えてみますと、アメリカが世界のリーダーたる立ち位置に収まったのは古くなく、またある意味においてアメリカがリーダーであり続ける必要も・・・ないのかも知れません?。そしてそれは意外とね・・・近い将来に普通にあったりして?(笑)。
さてニューヨークダウについて、現在は9月2日29,199ドル以来の4波が継続中と考えます。なおシナリオ.1は4波トライアングル、シナリオ.2は4波フラットを示しています。
前者と後者の分水嶺としては目先、27,108ドル~27,054ドルのサポートゾーンが挙げられ、守る限りにおいてトライアングル、ブレイクダウンではフラットを考慮するのが合理的と考えます。
さてそれでも・・・今後、先々に予見する4波完了~5波による上昇局面は、非常に大きなクラスの波の最終局面の可能性も内包すると考えます。21世紀の「サラエボ事件」、起こらなければイイですね(笑)。
(長浜-株式寅さん)
先月28日の貴重なレポートを読み返しています。ダウの4波完了〜5波への動きが不気味でその時期、株価の位置は
凡そどの位と予想していると良いでしょうか。これ迄の先生のご判断が的確で
動向が気掛かりです。
おはようございます。
NY-Dowですね、そろそろまたレポートを書きますね。
NY-Dowはこの30年間、終わる、終わると言われ続けて終わった試しなしですが(笑)、今回も過去の例に漏れなく戻ってきて新高値ときました。
現在の「新高値更新」も、いつかに指摘したように極めて大きな調整への転換点となったとして、文句は言えないほどに波を使っているのは事実ですね。
現代の「サラエボ事件」が起こるかどうかは別として(笑)、何かしらの長きにわたる混乱の始まりが起こるかも?
我々はどうしても自分の記憶や知識でしか物事を想像できないようになっていますから、「混乱=戦争」という短絡的な構図を描きがちですが、今回の新型コロナによる混乱もある意味、守備範囲の外からの混乱とも言えますよね。この問題が更に新たな局面を見せて「いよいよ」となるのか・・・アメリカの政権交代時にもう一悶着があったりするのか、それとも現時点の我々が想像し得ない何か?なのか・・・はたまたこれまで通り、それは気のせいなのか?(笑)。