NY-Dow エリオット波動分析&与太話No.704(06/16-18:00)

 永遠に上げ続ける世界のリーダー?NY-Dowについて、リーマンショック以降の週足対数チャート。$6,469の安値を叩いた後、誰もが「終わりの始まり」と感じたあの頃・・・何の事はない、普通に「始まり」でした(笑)。世界にコロナが蔓延し始めた2020年、これまた「終わりの始まり」と感じたのは幻で、普通に「始まり」でしたね(笑)。

 世の中に「戦争」という言葉が身近になり、物価の上昇~インフレ~金融引き締めの流れが出来つつある今、ゆっくりと値を下げて半年・・・約18%程度の下落ですが今度は意外に「終わりの始まり」を口にする者は少ないとも。

 エリオット波動で見るこの指数はもはや、古くはブラックマンデー辺りから永遠のエクステンション(波の延長)とも言える状況で、大天井を打ったとは迂闊に言えないこの指数。今回も過去の例に倣って、普通に「始まり」となる可能性を否定はできませんが、だがしかしそれでも、2009年9月$6,469以来はインターミディエイト(1)波(5)波による上昇波形が確認できる事は、「最低限の行程を走り終えた」と指摘できる証左と考えます。

 なおこのチャート内、緑色のサポートは$6,469(2009年3月)以来の上昇幅、紫色のサポートは$41(1932年7月)以来の上昇幅に対するフィボナッチリトレイスメントを示しています。
 
 なお赤色のサポートは通常通り、$18,213(2020年3月)以来の上昇幅に対するフィボナッチリトレイスメント、青色のサポートは61.8%押しを示しています。黒色のサポートはそれぞれ、何処かからかの76.4%~78.6%押し水準であり、いわゆる「強く働き得る」と表現できます

 重要なサポートとしてきた$30,272を割れ、安値は$30,144。この水準は、昨年10月30日$26,143以降の上昇幅に対する61.8%押し水準。終値ベースでは回復しており、ココからの上昇が今後、抜くところを抜けば「相場のアヤでした」になる可能性はあれども、少なくとも現時点、「この調整は、$26,143~$36,952を調整しているわけではないよ」とする暗示と考えます

 ★「だとすると・・・」が導くカウントは、好む好まないを別として合理的な選択をすると現時点、やはり優先カウントという事になると考えます。しかしながらそれはある意味、破滅論者?のカウントでもあり(笑)、あえてその一方で「それでも来年だって、上げ続けるよ」のカウントを採るとすれば・・・alt.2 or .3が挙げられます

 ★なおalt.2は今後、$29,199を守る限りおいて技術的な有効性を担保するものの、このカウントにおける仮想3波の61.8%押しである$30,272を割り込んだ事で事実上、少しばかり苦しく(不自然に)なったと考えます。他方、このカウントにおける仮想1波と仮想3波とでは、3波の方が短い点も「不自然な点」として挙げられる事を知り置きます。

 ★alt.3について、恐らく想像以上にスケールの大きな相場を前提とするカウント。2029年程度まで?で$94,375を目指す?ですとか・・・少なくとも「現時点」では、それを是としてカウントを進めるのは困難とは言えるラベリングですが、リーマンショック時、「10年経てば$36,000」と言ったとして、これと同じくらい陳腐だったのでしょうから、ない事でもありませんか?。

 ★さて与太話はこれくらいにして現状、1月5日$36,952以来について、(1)波が進行中と考えます。$30,144安値現在、目先は$31,338、$31,708、そして$32,077は強くかつ重要なレジスタンス。これらは反落の可能性を同居する半面で、上限アップは(1)波完了を暗示する最初のサインと考えます。

 ★その反面で再下落が安値更新時、$29,000台に記したサポートはそれぞれ有力、一時的な反発が生じておかしくないサポートバンドと考えます。なお既述の$29,199は今後、割れる事でalt.2が破綻ポイントを迎える、最大の焦点と指摘できる極めて重要なサポート。

(長浜-株式寅さん)